開業届の書き方と提出方法【2026年版・記入例付き】
開業届はなぜ必要?メリットと提出の基本
フリーランスとして事業を始める際、最初に検討したいのが開業届の提出です。多くの人が「出さなくても仕事はできるのでは?」と考えるかもしれません。確かに、開業届を提出しなくても罰則はありません。しかし、この一枚の書類が、事業運営において大きなメリットをもたらすことをご存知でしょうか。
正式名称を「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、所得税法第229条で提出が義務付けられています。にもかかわらず、実際には提出していないフリーランスの方も少なくないようです。それでも提出をおすすめする理由は、主に節税効果の高さにあります。
開業届を出すことの大きなメリット
開業届を提出すると、さまざまな恩恵を受けられます。特に注目したいのは、年間数十万円単位の節税につながる可能性がある点です。
| メリット | 内容 | 節税効果の目安 |
|---|---|---|
| 青色申告が使える | e-Tax提出で最大75万円の青色申告特別控除が受けられる | 年間15〜34万円 |
| 屋号で銀行口座を開設できる | 「〇〇デザイン事務所」名義の口座が持てる(信用向上) | 間接的な事業拡大効果 |
| 補助金・助成金の申請に使える | 多くの公的支援で開業届の写しが必要 | 助成金の受給に必須 |
| 青色事業専従者給与の活用 | 家族への給与を全額経費にできる | 年間20万〜数百万円 |
| 小規模企業共済に加入できる | 個人事業主向け退職金制度(全額所得控除) | 年間2〜40万円 |
| 社会的信用の向上 | 取引先・金融機関への証明になる | 受注単価・融資枠の改善 |
| 独立を証明できる | フリーランス証明が必要な場面で使える | 各種審査の通過率向上 |
開業届を出さないと、青色申告という大きな節税制度を利用できません。年間最大75万円の控除を受け損なうことになり、例えば税率20%の方なら年間15万円以上の税金を余分に払うことになります。提出期限を過ぎても受理されるため、まだ手続きをしていない方は、ぜひ早めに提出をご検討ください。
提出期限と必要なもの
開業届の提出期限は、原則として開業日から1ヶ月以内です。ただし、この期限を過ぎて提出しても受理されますので、気づいた時点で手続きを進めて問題ありません。
特に青色申告を希望する場合は、開業日から2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」も合わせて提出する必要があります。このため、開業届と青色申告承認申請書は同時に出すのが最も確実な方法です。
提出時には、以下のものを用意しておきましょう。
- 個人番号(マイナンバー)
- 本人確認書類(マイナンバーカード、または通知カード+免許証など)
- 印鑑(シャチハタは不可。e-Taxでオンライン提出するなら不要です)
書類は国税庁のウェブサイトから無料でダウンロードできます。
開業届の具体的な書き方と記入例
開業届は、以下の順番で記入を進めます。
提出先と提出日
書類の冒頭には、ご自身の住所地を管轄する税務署名を記入し、「○○税務署長 殿」とします。管轄税務署は、国税庁のウェブサイトで郵便番号から検索が可能です。提出する日付も忘れずに記入してください。
納税地、氏名・生年月日・個人番号
自宅で仕事をするフリーランスの方は、自宅の住所を納税地として記入します。もし事務所を別に構えている場合は、その事務所の住所でも構いません。
氏名欄には本名を、生年月日とマイナンバー(個人番号)も正確に記入します。屋号を使っている場合は「屋号」欄に記入しますが、氏名は本名が必要です。
職業と開業日
「職業」欄には、ご自身の具体的な事業内容を記入します。広すぎる職業名(例:「自営業」)は避け、実際の業務内容に近い表現を選びましょう。
記入例:
- Webデザイナー →
Webデザイナーまたはグラフィックデザイナー - エンジニア →
システムエンジニアまたはソフトウェア開発業 - ライター →
フリーライターまたは文筆業 - コンサルタント →
経営コンサルタントまたはITコンサルタント
「開業日」は、実際に事業を始めた日を記入します。厳密な定義はありませんので、「最初に仕事の受注をした日」や「事業の準備を本格的に始めた日」などで問題ありません。過去の日付(最大1ヶ月前程度)でも記入できます。
開業・廃業等の区分と事業の概要
「開業」に丸をつけます。 「事業の概要」欄には、事業内容を簡潔にまとめます。
記入例:
Webサイトのデザイン・制作、グラフィックデザイン業務スマートフォンアプリ・Webシステムの開発・保守企業向けマーケティング支援・コンテンツ制作
所得の種類と青色申告承認申請書の提出有無
フリーランスの場合、通常は「事業所得」に該当します。ただし、規模が小さく副業として行っている場合は「雑所得」となるケースもあります。この点については、後ほど詳しくご説明します。
青色申告を希望するなら、「青色申告承認申請書の提出有無」欄は必ず「有」に丸をつけ、開業届と同時に提出しましょう。
職種別・記入例一覧
開業届の「職業」「事業の概要」「所得の種類」の3欄は、職種によって記入例が異なります。以下の表が参考になるでしょう。
| 職種 | 「職業」欄の記入例 | 「事業の概要」欄の記入例 | 所得の種類 |
|---|---|---|---|
| Webエンジニア | システムエンジニア / Webエンジニア | Webアプリケーション・システムの設計・開発・保守業務 | 事業所得 |
| デザイナー | Webデザイナー / グラフィックデザイナー | Webサイト・バナー・ロゴ等のデザイン制作業務 | 事業所得 |
| ライター | フリーライター / 文筆家 | Webメディア・雑誌・企業ブログ等の記事・コンテンツの執筆業務 | 事業所得 |
| コンサルタント | 経営コンサルタント / ITコンサルタント | 中小企業向けの経営改善・業務効率化・IT導入に関するコンサルティング業務 | 事業所得 |
| カメラマン | フォトグラファー / 写真家 | 商品・人物・建築・イベント等の撮影業務および写真の編集・納品 | 事業所得 |
| 翻訳家 | 翻訳家 / 通訳者 | 英語・中国語等の文書翻訳業務(ビジネス・技術文書・映像字幕等) | 事業所得 |
「所得の種類」について少し補足します。 主に収入源として継続的に仕事をしている場合は「事業所得」です。一方、会社員の副業として小規模に行っている場合は「雑所得」と判断されることがあります。
運営者として公的資料を整理した立場では、2022年以降、国税庁は副業収入が年300万円以下の場合は原則「雑所得」として扱う方針を示しています。しかし、帳簿をきちんとつけ、継続的に業務を行っていれば事業所得として申告できる場合もあります。判断に迷う際には、税理士に相談するのが最も確実な方法です。
青色申告承認申請書はセットで提出!書き方とポイント
開業届と同時に提出するべき、もう一つの非常に重要な書類が「所得税の青色申告承認申請書」です。この書類を出し忘れると、その年は白色申告しか選択できなくなり、大きな節税メリットを逃してしまうことになります。
開業届との主な違い
| 項目 | 開業届 | 青色申告承認申請書 |
|---|---|---|
| 提出期限 | 開業から1ヶ月以内 | 開業から2ヶ月以内(または3月15日まで) |
| 目的 | 事業開始の届出 | 青色申告制度の適用申請 |
| 効果 | なし(届出のみ) | 青色申告特別控除・専従者給与等が使える |
各欄の記入方法と簿記方式の選び方
「事業所の所在地」欄には、自宅を事務所とする場合、開業届の「納税地」と同じ住所を記入します。 「業種名」欄も、開業届の「職業」欄と同じ内容で問題ありません(例:「システム開発業」「Webデザイン業」など)。 「開業等年月日」欄には、開業届に記入した開業日と同じ日付を記入しましょう。
青色申告特別控除の65万円(e-Tax提出なら75万円)を受けるには、「複式簿記」を選択する必要があります。10万円控除で良い場合は「簡易簿記」でも可能ですが、節税効果が大幅に減ってしまいます。会計ソフトを使う場合は、自動で複式簿記に対応しているため、迷わず複式簿記を選びましょう。
「備付帳簿名」欄では、記帳する帳簿の種類にチェックを入れます。
| 帳簿の種類 | 説明 | 必要性 |
|---|---|---|
| 仕訳帳 | すべての取引を借方・貸方で記録する帳簿 | 複式簿記には必須 |
| 総勘定元帳 | 勘定科目ごとに取引をまとめた帳簿 | 複式簿記には必須 |
| 現金出納帳 | 現金の入出金を記録する帳簿 | 現金取引がある場合 |
| 売掛帳 | 売上の請求・回収状況を管理する帳簿 | 請求書取引がある場合 |
| 買掛帳 | 経費の発注・支払状況を管理する帳簿 | 掛け仕入れがある場合 |
| 固定資産台帳 | 10万円以上の備品・設備を管理する帳簿 | PC等を購入した場合 |
freee、マネーフォワード、弥生といった会計ソフトを利用する場合、これらの帳簿はすべて自動で生成されます。「仕訳帳」と「総勘定元帳」にチェックを入れておけば問題ありません。
「簡易な帳簿」と「正規の簿記(複式簿記)」、どちらを選ぶべきか
- 正規の簿記(複式簿記)を選ぶべき人:
- 青色申告特別控除65万円(e-Tax提出で75万円)を最大限に受けたい方
- 会計ソフトを利用する方(ほとんどの会計ソフトは自動で複式簿記に対応しています)
- 売上が比較的大きく(年間100万円以上)、節税効果を最大化したい方
- 簡易な帳簿でもよい人:
- 副業として小規模に行っており、青色申告10万円控除で十分な方
- 現金出納帳や売掛帳など、単式の帳簿のみで管理したい方
ただし、簡易簿記では65万円控除が受けられないため、フリーランスとして本格的に活動するなら複式簿記への対応(会計ソフトの導入)を強くおすすめします。
開業届の提出方法と開業費の扱い
開業届と青色申告承認申請書が準備できたら、いよいよ提出です。提出方法は主に3種類あります。
1. e-Tax(電子申告)でオンライン提出
おすすめ度: ★★★★★
マイナンバーカードとスマートフォン(またはICカードリーダー)があれば、自宅から24時間いつでも提出できます。税務署へ行く手間が省けるため、最も手軽な方法と言えるでしょう。
手順:
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスします。
- マイナンバーカードでログインし、開業届の入力フォームに沿って情報を入力します。
- 内容を確認後、送信して完了です。
控えは電子データとして保存されるため、紛失の心配もありません。
2. 税務署の窓口に持参
おすすめ度: ★★★
税務署の開庁時間(平日8:30〜17:00)に直接持参する方法です。書き方に不安がある場合は、その場で職員に内容を確認してもらえるため安心感があります。
控えが必要な場合は、2部印刷して持参し、1部に受付印を押してもらいましょう。
3. 郵送
おすすめ度: ★★
税務署へ郵送で提出することも可能です。控えを返送してもらいたい場合は、返信用封筒(切手を貼付し、宛名を記入したもの)を同封すると、受付印が押された控えが送られてきます。
開業前費用(開業費)は節税に活用できます
フリーランスとして仕事を始める前にかかった準備費用は、「開業費」として通常の経費とは異なる形で節税に活用できます。
開業費として認められる費用例: 事業開始までにかかった費用で、開業後も事業に関連するものです。
- 名刺やポートフォリオの印刷・制作費
- ホームページ・Webサイトの制作費用
- 業務に関係する書籍・専門誌の購入費
- 業界団体・交流会への参加費
- 仕事に必要なソフトウェア・ツールの購入費
- 開業のための打ち合わせ・交通費
- 事務所探しや設備導入のための調査費用
開業費として計上できない費用例:
- 個人的な旅行や趣味にかかった費用
- 土地・建物など固定資産の取得費用(これらは別途減価償却の対象です)
- 開業後に発生した通常の経費
開業費の処理方法:任意償却の大きなメリット
開業費は「繰延資産」として貸借対照表に計上し、開業後に「任意償却」として経費にできます。 この任意償却には大きなメリットがあり、通常の減価償却のように毎年決まった額を経費にするのではなく、任意のタイミングで、好きな額を経費にできるという特徴があります。
例えば、開業初年度は収入が少なく税金も少ない場合、開業費を繰延資産のままにしておき、収入が増えて税率が上がった年に一括で経費化するといった使い方が可能です。 制度の文言だけ追うと分かりにくいですが、この柔軟性は個人事業主にとって大変有利な仕組みと言えるでしょう。
開業費の仕訳例: 開業前に50万円の費用がかかり、それを開業費として計上し、後日全額を経費化する場合の仕訳は以下のようになります。
(開業時の仕訳)
開業費 500,000 / 事業主借 500,000
(開業費を経費化する年の仕訳)
創立費償却 or 開業費償却 500,000 / 開業費 500,000
会計ソフトを使っていれば、「開業費」という科目を選んで入力するだけで自動的に処理されます。
開業前費用を申告するときの注意点
- 開業前費用の領収書は必ず保管しておきましょう。
- 開業日よりも前の日付の領収書であることが条件です。
- 開業後の費用と混ざらないよう、別途リスト化して管理するとスムーズです。
開業費の処理についてさらに詳しく知りたい場合は、確定申告のやり方も合わせてご確認ください。
開業後にすぐやるべきことチェックリスト
開業届を提出したら、続けて以下の手続きや準備を進めることで、事業運営をスムーズにスタートできます。
- 1. 青色申告承認申請書を提出する(まだの場合)
- 開業から2ヶ月以内、または3月15日までが期限です。最も重要な手続きと言えるでしょう。
- 2. 会計ソフトを導入して初期設定を行う
- freee、マネーフォワード、弥生などから選んで初期設定を進めます。青色申告に対応したプランを選択してください。
- 3. 事業用銀行口座を開設する
- プライベートの口座と事業の口座を分けることで、帳簿管理が大幅に楽になります。屋号付き口座も選択肢の一つです。
- 4. 事業用クレジットカードを作る
- 経費の支払いを事業用カードに集約すると、領収書の管理や帳簿入力が効率化されます。
- 5. 国民健康保険に加入する(または継続手続き)
- 会社を退職した方は、退職日の翌日から14日以内に市区町村の窓口で加入手続きが必要です。
- 6. 国民年金への切り替えを行う
- 会社員から独立した場合、厚生年金から国民年金への切り替えが必要です(退職後14日以内)。
- 7. 小規模企業共済への加入を検討する
- 個人事業主向けの退職金積立制度です。掛金全額が所得控除になるため、強力な節税手段として検討に値します。商工会や金融機関から申し込めます。
- 8. iDeCoの加入手続きを開始する
- 口座開設まで1〜2ヶ月かかることがありますので、早めに手続きを始めましょう。証券会社や銀行で申し込めます。
- 9. 請求書テンプレートを作成する
- インボイス制度に対応した請求書フォーマットを用意します。適格請求書発行事業者に登録する場合は、登録番号の記載も必要です。
- 10. 年間の売上目標・収支計画を作成する
- 予想売上と経費を試算し、手取り計算シミュレーターで予想税額を確認します。納税資金の積立目標も設定しておくと安心です。
開業届に関するよくある疑問
ここでは、開業届に関するよくある質問とその対応策について解説します。
Q. 屋号は必ず決めないといけないのですか?
いいえ、屋号は必ずしも決める必要はありません。屋号欄は空欄でも提出できます。後から変更することも可能です(その際は変更届の提出が必要です)。
Q. 副業フリーランスも開業届を出した方がいいのでしょうか?
年間の事業所得が20万円を超える場合は確定申告が必要になります。開業届を提出して青色申告を始めることで、節税効果が得られるためおすすめです。ただし、所得が小さい場合は「雑所得」として申告する選択肢もあります。
副業での収入を会社に知られたくない方は、副業バレ住民税計算ツールで確認しておくとよいでしょう。
Q. 提出後に職業や屋号を変えたい場合はどうすればよいですか?
「個人事業の開業・廃業等届出書」を再提出することで変更が可能です。
Q. 法人化したら開業届はどうなりますか?
法人成りした場合は、「廃業届」を提出します。ただし、法人化後も個人での事業を続ける場合は提出不要です。
Q. 副業での開業届でも同じ書類で大丈夫ですか?
はい、会社員が副業として個人事業を始める場合でも、使用する書類は「個人事業の開業・廃業等届出書」と同じです。ご自身の住所を管轄する税務署に提出します。
ただし、記入内容には注意が必要です。「職業」欄には副業の内容(例:「Webデザイン業」)を記入し、本業(会社員)の職種ではありません。また「所得の種類」は、副業収入が継続的な事業として成立している場合は「事業所得」、小規模な場合は「雑所得」となるケースもあります。
副業収入が年間20万円を超える場合は確定申告が必要になるため、開業届を出して青色申告を始めることで節税効果が期待できます。
Q. 会社の副業禁止規定に引っかからないか心配です。
開業届を提出すること自体が直接会社に知られるわけではありません。税務署に提出した書類が勤務先に通知されることは原則としてありません。
しかし、確定申告を行うと翌年6月頃に住民税の通知が変わることで、会社に副業収入が発覚する可能性があります。この対策として、確定申告書の「住民税に関する事項」欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択することで、副業分の住民税を会社経由ではなく自分で直接納めることができます。
会社の副業規定については、就業規則や雇用契約書を事前に確認し、場合によっては会社に相談することをおすすめします。
Q. 屋号なしでも銀行口座は作れますか?
屋号がなくても、個人名義の銀行口座をそのまま事業用として使用することは可能です。ただし、以下の点にご注意ください。
屋号なし(個人名義)の口座を使う場合の注意点:
- 取引先から見ると「個人への送金」に見えるため、ビジネス上の信頼性がやや低くなる場合があります。
- プライベートと事業の入出金が混ざりやすく、帳簿管理が煩雑になることもあります。
屋号付き口座を作る場合:
- 開業届の「屋号」欄に記入した名前を使って「○○事務所 代表 田中太郎」のような名義の口座を開設できます。
- ゆうちょ銀行、地方銀行、ネット銀行の多くが対応しています。
- 開業届の写し(または受理印付きの控え)が必要な場合があります。
ビジネス用途であれば、屋号付きの口座を用意した方が、長期的に見て管理しやすいでしょう。
Q. 数ヶ月活動してから出す場合の開業日はいつにすればよいですか?
原則は「実際に事業を開始した日」ですが、厳密な定義はありません。「最初に報酬を受け取った日」「最初に仕事の依頼を受けた日」「事業の準備を本格的に始めた日」などが考えられます。
実務的なポイント:
- 開業日は青色申告承認申請書の提出期限(開業日から2ヶ月以内)に影響します。
- 開業日が早いほど、その分の経費を事業所得として計上できる期間が長くなります。
- ただし、あまりにも不自然な過去の日付は税務上問題になる可能性もあります。
税務署窓口に持参した場合、「実際に活動を開始した日」を伝えれば職員が確認してくれます。遡れる最大期間の明確なルールはありませんが、概ね1〜2ヶ月以内が現実的です。
Q. 複数の仕事をしている場合の書き方はどうすればよいですか?
例えば「Webエンジニアとしての受託開発」と「ライターとしての記事執筆」の両方を行っている場合でも、開業届は1枚で対応できます。
記入のポイント:
- 「職業」欄:最も主な職業を記入します(例:「システムエンジニア」)。
- 「事業の概要」欄:両方の業務内容を記入します(例:「Webシステムの開発・保守および技術記事の執筆・監修業務」)。
確定申告では、複数の事業収入をまとめて「事業所得」として申告します。収入源ごとに申告書を分ける必要はありません。
Q. 開業届を出すと配偶者の扶養から外れますか?
開業届の提出だけで扶養から外れるわけではありません。扶養に関係するのは「収入・所得の金額」です。
配偶者(会社員)の健康保険・年金の扶養について:
- 年収130万円未満(社会保険上の扶養)であれば、開業していても扶養のまま継続できる可能性があります。
- 年収130万円以上になると国民健康保険・国民年金への切り替えが必要です。
所得税上の配偶者控除について:
- 年間の合計所得金額が48万円以下(給与収入換算で103万円以下)であれば、開業後も配偶者控除の対象になります。
- 48万〜133万円の範囲では「配偶者特別控除」として段階的に控除が減る仕組みです。
開業しても収入が少ない間は扶養のままでいられる可能性が高いですが、収入の増加に合わせて扶養の基準を確認するようにしましょう。
Q. 廃業する場合の手続きは?
個人事業を廃業する場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書」(廃業届)を管轄の税務署に提出します。書式は開業届と同じで、「廃業」の欄に丸をつけます。
廃業時に提出が必要な書類:
| 書類 | 提出先 | タイミング |
|---|---|---|
| 廃業届(開業・廃業等届出書) | 税務署 | 廃業から1ヶ月以内 |
| 所得税の青色申告取りやめ届出書 | 税務署 |
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税太郎
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