個人事業主の社会保険|国民健康保険・国民年金の仕組みと節約方法【2026年版】

⏱ 約7分で読める
本記事は一般的な税務知識の提供を目的としており、税理士による個別相談の代替ではありません。

個人事業主の社会保険の仕組み

会社員からフリーランスになると、社会保険の仕組みが大きく変わります。会社員時代は給与から自動的に天引きされていた保険料を、自分で計算・納付しなければなりません。個人事業主の社会保険(国民健康保険・国民年金)の仕組みと、保険料を抑えるための方法を解説します。

社会保険の種類と保険料

国民健康保険、国民年金、介護保険は個人事業主も加入する必要があります。会社員の場合は会社が半分負担してくれますが、個人事業主はすべて自己負担です。年収500万円のフリーランスだと、社会保険料だけで年間100万円を超えることがあります。

保険の種類加入先月額保険料の目安
国民健康保険市区町村前年所得による(月1万〜5万円程度)
国民年金日本年金機構月16,980円(2026年度)
介護保険市区町村(40歳以上)国民健康保険に含む

国民健康保険

国民健康保険料は市区町村によって異なりますが、基本的な計算式は以下の通りです。

国民健康保険料 = 所得割 + 均等割 + 平等割

東京都渋谷区の例(2026年度)

区分計算方法
所得割(医療分)課税所得 × 7.43%
均等割(医療分)1人あたり42,000円
計算例:年間所得400万円(独身、渋谷区)
所得割 = (400万円 − 43万円) × 7.43% = 265,151円
均等割 = 42,000円
医療分合計 ≈ 307,151円(年間)

後期高齢者支援金分・介護分も加算され、合計保険料は約40〜50万円/年になります。

上限額(賦課限度額)

国民健康保険料には上限があります。2026年度は医療・支援・介護合計で106万円/年が上限です。所得が非常に高くても、これ以上はかかりません。

軽減制度(低所得者向け)

前年所得が低い場合、均等割・平等割が軽減されます。

世帯の所得合計軽減割合
43万円以下7割軽減
43万円+29万円×被保険者数以下5割軽減
43万円+53.5万円×被保険者数以下2割軽減

国民年金

保険料

国民年金保険料は全国一律で、2026年度は月額16,980円(年間203,760円)です。

免除・猶予制度

所得が少ない場合、申請により保険料の全部または一部が免除されます。

区分所得の目安(単身)将来の年金額への影響
全額免除〜67万円1/2反映
3/4免除〜88万円5/8反映
半額免除〜128万円3/4反映
1/4免除〜168万円7/8反映

免除期間中も年金受給資格はあり(期間としてカウント)、10年以内に追納すれば満額回復できます。

付加年金(月400円で年金上乗せ)

国民年金に月400円を追加する付加年金に加入すると、将来の年金が「200円×付加保険料納付月数」増額されます。

例:40歳から25年間付加年金を支払った場合
追加支払い = 400円 × 300ヶ月 = 120,000円
年金の増額 = 200円 × 300ヶ月 = 60,000円/年

コスパが非常に良いため、iDeCo加入前に検討しましょう(iDeCoと同時加入は可能)。

退職直後の選択肢:任意継続

会社員を辞めて独立した場合、退職後2年間は前の会社の健康保険に任意継続で加入できます。

任意継続のメリット

  • 傷病手当金・出産手当金の継続受給が可能(一部条件あり)
  • 家族が多い場合、扶養に入れたまま(国保は家族全員分の保険料がかかる)

任意継続の保険料

退職前の保険料の2倍(会社負担分がなくなる)ですが、上限があります。全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合は**標準報酬月額30万円(2026年)**が上限。

上限の場合の任意継続保険料
= 30万円 × 10% = 30,000円/月(全国平均)

退職後は速やかに国民健康保険の保険料と比較して、有利な方を選びましょう。

保険料を抑える方法

1. 国民健康保険組合(国保組合)への加入

職種によっては、市区町村の国民健康保険よりも安い国民健康保険組合に加入できます。

国保組合対象職種特徴
文芸美術国民健康保険組合デザイナー、ライター、カメラマン等所得に関係なく定額
ITS(情報サービス産業健保)ITエンジニア(条件あり)会社員向けが多い
全国建設工事業国民健康保険組合建設業定額制

文芸美術国保(2026年)

  • 月額保険料:約26,500円(本人のみ、40歳未満)
  • 年収が高い人ほど市区町村の国保より安くなる

2. 前年の所得が下がった場合は減額申請

フリーランスの収入は年によって変動します。前年より所得が大幅に減った場合は、市区町村に減額申請ができます。

3. 国民年金の前納割引

国民年金保険料を前払い(前納)すると割引があります。

前納期間割引額の目安
6ヶ月前納約1,040円割引
1年前納約3,840円割引
2年前納約15,840円割引

4. 社会保険料を所得控除として申告

国民健康保険料・国民年金保険料は全額が社会保険料控除の対象です。

年間社会保険料:60万円
社会保険料控除:60万円(全額控除)
所得税率20%の場合の節税効果
60万円 × 20% = 12万円

確定申告の「社会保険料控除」欄に年間支払額を記入するだけです。

老後資金との組み合わせ

個人事業主は会社員と違い、厚生年金がないため老後の年金が少なくなります。そのため、国民年金以外の老後資金積立が重要です。

制度月額上限所得控除受取時の税金
iDeCo68,000円全額控除退職所得 or 雑所得
小規模企業共済70,000円全額控除退職所得
NISA制限なしなし非課税

詳しくはフリーランスの節税対策12選をご参照ください。

収入が不安定な時の対策

傷病手当金がない問題

会社員には傷病で働けない期間の「傷病手当金」がありますが、国民健康保険にはありません。 代替手段:

  • 就業不能保険(民間)への加入
  • フリーランス協会のベネフィットプランへの加入

フリーランス協会の保障

フリーランス協会(年会費10,000円)に加入すると、傷病による就業不能時の保障などが付帯します。

個人事業主の社会保険は複雑です。各市区町村や年金事務所にご確認し、必要に応じて専門家のご相談を取ります。

※ 以下はアフィリエイト広告(PR)を含みます

おすすめの開業・会計サービス

PR

マネーフォワードクラウド開業届

無料で開業届・青色申告承認申請書を作成。e-Taxでそのまま提出可。

無料で開業届を作成 →

PR

弥生 会計・青色申告

シェアNo.1の会計ソフト。初年度無料。確定申告・青色申告に対応。

弥生の詳細を見る →

PR

freee予約

無料から使える予約システム。クライアントとの面談・打ち合わせ管理に。

freee予約を見る →

税太郎

サイト運営者 個人事業主・ITエンジニア

個人事業主のITエンジニアとして運営しているLanceTaxのハンドル名です。 フリーランス・個人事業主が直面する税金・確定申告・節税の情報を、国税庁・財務省・総務省など公的機関の一次情報を起点に整理して発信しています。 記事はAIで初稿を生成したのち、別のAIによるファクトチェックと運営者の確認を経て公開しています(詳細は編集ポリシー)。

※ 税理士・公認会計士の資格は保有していません。重要な税務判断は税理士にご相談ください。

この記事をシェア

関連記事